目次
猫の腎臓病、見逃さないで! 症状と予防法を獣医師が解説
■もしかして腎臓病? こんなサインに注意!
- 水を飲む量・おっしこの量が増えた
- 逆におしっこが減った、出ていない
- 食欲がなく、瘦せてきた
- 元気がなく、あまり動かない
- 吐くことが増えた、便秘ぎみ
- 毛並みが悪くなった
ひとつでも当てはまったら、すぐに動物病院へ!
腎臓病は、症状が出にくい怖い病気。早期発見が何よりも大切です。
■猫の腎臓病ってどんな病気?
腎臓は、体内の老廃物をろ過するなど、命に係わる大切な臓器です。この機能が衰えてしまう状態が「腎不全」です。
- 急性腎臓病:数時間~数日で急激に悪化します。中毒や感染症が原因で、早期治療で回復の可能性もあります。
- 慢性腎臓病:数か月~数年かけてゆっくり進行します。高齢の猫に非常に多く、10歳以上の猫の3~4割がかかると言われています。一度失われた腎機能は戻らないため、生涯の付き合いが必要です。
■腎臓病の原因は?
- 急性腎臓病:脱水や循環器系の異常、中毒(ユリは特に危険です!)、感染症、尿路閉塞など
- 慢性腎臓病:加齢による機能低下が主ですが、ウイルス感染や長年の負担なども関係します。
■どんな治療をするの?
慢性腎臓病の治療は、腎臓をこれ以上悪くさせない「進行を遅らせる」ことが目標です。
- 点滴治療:脱水を防ぎ、老廃物の排出を助けます。
- 食事療法:タンパク質やリンを制限した腎臓病用の療法食で、腎臓の負担を減らします。
- 薬物療法:腎臓を保護する薬や、症状を和らげる薬を使います。
- 積極的な水分摂取:水分補給を積極的に行うことも大切です。水分を多く摂取させることで、腎臓の負担を軽減し、老廃物を効率よく輩出できます。
■猫ちゃんの腎臓病予防法
愛猫の腎臓を守るためには、「おうちでの日々のケア」と「病院での専門的なサポート」の両方が大切です。
【自宅編】毎日の暮らしでできる7つのこと
- 水分補給を促す:いつでも新鮮な水が飲める環境を。ウェットフードの活用も効果的です。
- バランスの取れた食事:腎臓に負担をかけない高品質なフードで、栄養バランスを整えましょう
- 定期的な体重管理:肥満は腎臓の敵。食事と運動で、健康的な体型をキープしてください。
- 適度な運動:遊びなどを通して、猫ちゃんが毎日楽しく運動できる機会を作りましょう。
- ストレスの少ない環境:猫ちゃんが安心できる、穏やかでリラックスできる空間を心がけましょう。
- 毎日のトイレチェック:おしっこの量や回数、色の変化は重要な健康のサインです。
- 清潔な体を保つ:定期的なブラッシングで、皮膚と毛の健康を守りましょう。
【病院編】腎臓病予防のサポート
自宅でできる予防法には限度があり、分からないこともあるため、病院でのサポートが大切です。病院でできる予防法を取り入れることで、より効果的に腎臓病を予防できます。
- 定期的な健康診断:症状が出る前に病気を見つけるため、血液検査や尿検査を受けましょう。
- 尿の検査:尿は腎臓の健康状態を教えてくれる、重要なバロメーターです。
- サプリメントや治療法の相談:腎臓の健康を支えるため、獣医師に適切なものを提案してもらいましょう。
- フード指導:愛猫のステージに合った、最適な腎臓ケアフードのアドバイスが受けられます。
- 検査による早期発見:目に見える症状がなくても、検査によって以上を早期に見つけることが可能です。
- 飼い主さんへのアドバイスとサポート:日々のケアで不安なことや疑問があれば、遠慮なく獣医師に相談しましょう。
■まとめ
猫の腎臓病は、静かに進行する手ごわい病気です。「おうちでの日々のケア」と「病院での定期的なチェック」を組み合わせ、大切な愛猫の健康を一緒に守っていきましょう!
おしっこ外来の詳細はこちらをクリック→おしっこ外来の詳細
