避妊・去勢手術とは、具体的にどのようなものですか?
避妊・去勢手術とは、全身麻酔で卵巣と子宮または精巣を摘出する手術のことです。
これは、妊娠の可能性を防ぐために行われます。
繁殖の予定がない場合は、避妊手術を行うことで、様々な病気の予防や、発情期の行動によるストレスを軽減することができます。
避妊手術について
避妊手術を行うことで、意図しない妊娠を避けることができます。
さらに、子宮・卵巣の病気も避妊手術で回避できます。また年をとってからの乳腺腫瘍の確率が低下します。(他には子宮蓄膿症や卵巣腫瘍など)
発情期の鳴き声が少なくなります。発情時に、出血が見られなくなります。
去勢手術について
去勢手術をすると、性格が穏やかになり、攻撃的な傾向が弱まることが予想されるため合理的です。
他にも犬の吠え声や唸り声が少なくなる、マーキングが無くなる、縄張り争いやケンカの減少、睾丸と前立腺に影響を与える病気の予防などが可能です。
手術の時期について
子犬の場合
最初の発情が始まる前に、避妊手術は生後7か月~、去勢手術は生後6か月~を目安に行います。
乳腺腫瘍は、メスの犬が最初の発情を迎える前に避妊手術を行うことで、乳腺腫瘍の発生リスクを低減することができます。
また、オス犬の場合、本能的な行動が始まる前に去勢手術を行えば、尿で縄張りを示す癖がつきにくくなると言われています。
成犬の場合
手術はいつでも可能ですが、メスの場合、生理中の手術は避けるようにしています。(手術での出血が止まりにくいなどのリスクがあるため)
また、中年(約5歳)以上になると、より精密な術前検査が必要となる場合がありますが、手術や麻酔に伴うリスクを考慮しても、早めの手術を推奨しています。
犬の避妊・去勢手術のメリット・デメリットについて
避妊・去勢手術をしていない高齢の動物は、晩年にさまざまな病気にかかる可能性が高くなります。
乳腺腫瘍、子宮や卵巣の病気、精巣や前立腺の病気など、オスとメスがかかる可能性のある病気が挙げられます。
しかし、早期に避妊・去勢手術を行うことで、これらの病気や様々な問題行動からペットを守ることができます。
当院では、避妊・去勢手術を行う前に、まず飼い主様とメリット・デメリットをお話しさせていただいています。
避妊
メリット
- 妊娠の心配がなくなる(発情期にオスにつけまわられることがなくなる)
- 発情時の出血がなくなる
- 年をとってからの乳腺腫瘍の確率が低下する
デメリット
- 肥満になりやすくなる
- まれに女性ホルモン減少による尿失禁が起こる
去勢
メリット
- 精巣、前立腺の病気予防になる
- 肛門周囲腺腫の予防になります
- 発情期の問題行動を抑制する
- マーキング行為を抑制する
- 年をとってから肛門周囲腺腫(肛門のところにできる腫瘍)がなくなるなど
デメリット
- 肥満になりやすくなる
避妊手術の流れ
避妊手術は1泊入院です。予約制となります。
前日
夜ごはんを与えた後は絶食してもらいます。
(お水は当日の朝まで飲ませて下さい)
当日
朝ごはん(食べ物)は与えないでください。お水は与えても大丈夫です。
9:00~10:00に来院をお願いします。
麻酔を安全にかけるための術前検査を行います。
- 血液検査(生化学)
- 血液凝固検査
- 鎮静剤投与
- 抗生剤注射、痛み止め注射
- 点滴
術後は徐々に麻酔が覚めます。犬猫舎でゆっくり覚めるのを待ちます。
夕飯は食べられません。点滴をしているので大丈夫です!
今日は安静に過ごしてね。
翌日
お腹すいたね。
9:00~(診察時間中)にお迎えをお願いします。
- 抜糸は必要ありません。吸収糸といって体に溶ける糸で縫ってあります。
- 避妊手術後は太りやすくなります。フードを切り替えていきましょう。ご不明な点はご相談ください。
1週間後再診
傷の様子、体の状態を診せてくださいね。
去勢手術の流れ
去勢手術は日帰り入院です。予約制となります。
前日
夜ごはんを与えた後は絶食してもらいます。
(お水は当日の朝まで飲ませて下さい)
当日
朝ごはん(食べ物)は与えないでください。お水は与えても大丈夫です。
お問合せ・ご不安等ございましたらお気軽にスタッフまでお声がけください。
9:00~9:30までに来院をお願いします。
麻酔を安全にかけるための術前検査を行います。
- 鎮静剤投与
- 痛み止め注射
- 抗生剤注射
- 酸素吸入
術後は徐々に麻酔が覚めます。
犬猫舎でゆっくり覚めるのを待ちます。
16:00~18:30の間にお迎えをお願いします。
- 抜糸は必要ありません。ワンちゃんは、吸収糸といって体に溶ける糸で縫ってあります。ネコちゃんの場合は、開放創といって縫わなくてもすぐ自然にくっついてしまいます。
- 避妊手術後は太りやすくなります。フードを切り替えていきましょう。ご不明な点はご相談ください。
お家に帰って夕飯です。
おなかがすいているので、一気に食べると吐いてしまうかもしれません。少しずつ与えてあげましょう。
料金表
雌犬・避妊手術・一泊入院
5kg未満 | 42,416円 |
---|---|
10kg未満 | 43,032円 |
10~20kg | 47,102円 |
20kg~ | 51,095円 |
(税込価格です)
避妊手術の料金に含まれるもの
- 血液検査
- 血液凝固検査
- 点滴
- 全身麻酔(吸入)
- 注射(抗生剤・痛み止め)
- 手術代
- 入院費(1泊)
- 飲み薬(抗生物質、痛み止め)
※抜糸の必要はありません。体に溶ける「吸収糸」で縫ってあります。
雄犬・去勢手術・日帰り入院
10kg未満 | 23,100円 |
---|---|
10~20kg | 26,840円 |
20kg~ | 29,810円 |
(税込価格です)
去勢手術の料金に含まれるもの
- 全身麻酔(吸入)
- 注射(抗生剤・痛み止め)
- 手術代
- 入院費(半日)
オプション
麻酔が効いている鎮静下では、動物のストレスなく爪切りなどを行うことが出来ます。以下のようなオプションがあります。
詳しくは獣医師にご相談ください。
マイクロチップ | 4,400円 |
---|---|
爪切り | 880円 |
ノミダニ駆除 | 1,540円~ |
肛門腺処置 | 880円~ |
(税込価格です)
避妊去勢手術は予約制です。予約は下記電話番号よりお願いします。
初診の方は手術前に診察を行います。
当院では、飼主様に十分な情報を提供し、安心して手術を受けていただけるよう心がけています。ご不明な点がございましたら、お気軽に獣医師または当院スタッフまでお尋ねください。