愛犬・愛猫にこのような症状はありませんか?
このような症状が見られる場合、泌尿器系の病気の可能性があります。
![ネコ](https://pia-ahp.jp/wp/wp-content/uploads/2023/03/pic-urology-01.jpg)
こんな症状が気になったことはありませんか?
- 排尿回数が多い、または少ない
- 水を大量に飲む
- 尿に血が混じる
- 尿のにおいが強い
- お腹を触ると痛がる
- 食欲がない
- トイレに行くのを嫌がる
- トイレの使用中に鳴く
- トイレの砂が光って見えるようになる
- 毛並みの光沢がなくなってきた
- 最近吐くようになった
上記に当てはまる症状がある場合、腎臓と膀胱のどちらか、または両方が正常に機能していない可能性があります。トイレは毎日することなので、飼主様がいつも違う様子を気付いてあげることが必要です。
特にワンちゃん、ネコちゃんは不調を訴えられません。
このような症状が見られる場合、どんな些細なことでもご相談ください。
![院長イラスト](https://pia-ahp.jp/wp/wp-content/uploads/2023/03/illust-01.png)
泌尿器系に影響を与える病気
泌尿器とは、排尿に関係する臓器のことです。
- 腎臓
-
おしっこを作る
- 尿管
-
尿を膀胱に運ぶ管
- 膀胱
-
尿をためる
- 尿道
-
おしっこを排出する
特に、一度傷ついた腎臓を再生させることは困難です。
泌尿器系の問題は、寿命に悪い影響を与える可能性があります。
病気によっては早急な治療が必要なため、「おかしいな」と感じたら早めに動物病院へ行くようにしましょう。
犬や猫の泌尿器系に影響を与える代表的な病気について紹介します。
犬の泌尿器系によく見られる病気
膀胱炎
膀胱炎は、膀胱の炎症として知られており、頻繁にトイレに行く(頻尿)や血尿が認められることが特徴です。
![膀胱炎](https://pia-ahp.jp/wp/wp-content/uploads/2023/03/pic-equipment-01-1.jpg)
尿路結石症
尿路に結石が形成される病気です。一番多くみられるのは膀胱結石です。
尿道に結石が詰まると、急性腎不全を引き起こし、命にかかわることもあります。
尿道閉塞とは、医学用語で、何らかの原因で尿道が閉塞していることを意味します。
![尿路結石](https://pia-ahp.jp/wp/wp-content/uploads/2023/03/pic-urology-02.jpg)
猫の泌尿器系でよく見られる病気
猫の下部尿路疾患の病気は、FLUTDとも呼ばれ、猫の泌尿器系に起こる異常や病気です。
排尿障害が出るため何回もトイレに通うようになり、お腹を痛がったり、食欲不振、嘔吐が見られます。
慢性腎不全
慢性腎不全は、腎機能が低下している状態で多飲多尿といいたくさん水を飲み、
薄い尿をたくさんするようになります。
高齢のネコちゃんに多くみられます。
食欲不振、体重減少や、毛づやの低下などが認められます。
![ネコ](https://pia-ahp.jp/wp/wp-content/uploads/2023/03/pic-urology-03.jpg)
泌尿器科疾患の評価と診断方法
泌尿器科疾患の主な診断手順を以下に示します。
初診時
一般的な身体検査だけでなく、総合的な問診が行われます。
動物の症状、種類、年齢、既往歴などをお聞かせください。
また、症状が出始めた時期や期間、1日の平均排尿回数などもお伺いします。
健康状態を把握した上で、どのような検査が必要かを判断します。
![診察中のねこ](https://pia-ahp.jp/wp/wp-content/uploads/2023/03/pic-gastro-07.jpg)
尿検査
膀胱炎が疑われる場合、必ず尿検査を行います。
尿の色、結石の有無、出血の有無に加え、尿に含まれる成分の有無を調べます。
![尿検査](https://pia-ahp.jp/wp/wp-content/uploads/2023/03/pic-urology-04.jpg)
血液検査
脱水や貧血の程度を、採血の分析によって判断します。
また炎症の有無の判断にもなります。
![血液検査風景](https://pia-ahp.jp/wp/wp-content/uploads/2023/03/pic-18.jpg)
画像検査
膀胱の内部や腎臓の状態を調べるために、画像検査を行います。
レントゲン検査、超音波検査(エコー検査)、いずれも多くの情報を提供し、組み合わせることで泌尿器系のより正確な診断が可能になります。
![画像検査](https://pia-ahp.jp/wp/wp-content/uploads/2023/03/pic-urology-05.jpg)
泌尿器科での治療
泌尿器科の病気は、内科的な治療と外科的な治療があります。
犬や猫を取り巻く状況、年齢、飼い主の経済状況、個人の考え方などを総合的に判断して決定します。
少しでも健康に不安があるのであれば、できるだけ早く動物病院に行って検査を受けてください。病気の発見が早ければ早いほど、治療が成功しやすくなります。
内科で行う治療
症状が重くない場合は、投薬や食事療法で経過観察を行ます。
例えば急性膀胱炎の治療では、抗生物質などの抗菌薬を1週間程度投与します。
膀胱内の細菌が排除されれば、治療は成功したと判断します。
尿路結石の場合は、結石が小さければ薬で溶かすことができる場合もあります。
![薬](https://pia-ahp.jp/wp/wp-content/uploads/2023/03/pic-urology-06.jpg)
薬を飲み続け、症状が改善されたら食事療法に重点を移しましょう。
泌尿器系の病気は、日頃からの治療が大切です。
家の中でいつでも好きなだけ水を飲めるように、水へのアクセスポイントを複数用意することが大切です。
水をあまり飲まない子には、水分の多いフードを与えて、体内で自然に水が作られるようにします。
高齢の犬や猫では、泌尿器系のトラブルは症状が治まっても再発することが多いので注意が必要です。
定期的な検査を強くお勧めします。
外科的治療方法
膀胱結石は、すでに膀胱に形成されている場合、外科的に除去することが可能です。
お腹を切って結石を取り除き、再び縫合するため、数日から1週間程度の入院が必要です。
オスの猫はメスに比べて尿道が細いため、結晶がつまってしまう可能性があります。
そのような場合は尿道カテーテルを入れて尿を出す必要があります。
繰り返してしまう場合は、尿道口や尿の出口を新たに作る手術を行うことも選択肢の一つです。
![膀胱結石](https://pia-ahp.jp/wp/wp-content/uploads/2023/03/pic-equipment-01-1.jpg)
泌尿器科の症例
トイ・プードル膀胱結石
![トイプードル膀胱結石](https://pia-ahp.jp/wp/wp-content/uploads/2023/03/pic-case-urology-01.png)
![トイプードル膀胱結石](https://pia-ahp.jp/wp/wp-content/uploads/2023/03/pic-case-urology-02.png)
![トイプードル膀胱結石](https://pia-ahp.jp/wp/wp-content/uploads/2023/03/pic-case-urology-03.png)