下部尿路疾患の症状、原因、予防のポイントについて
■猫の下部尿路疾患の症状
こんな症状はありませんか?
- ピンク色、濃い黄色
- おしっこに血が混じっている(血尿)
- 尿にキラキラした砂状のものが混じっている
- 頻尿(少量を何回もする・出ないことも多い)
- 排尿時に力む、痛そうに鳴く
- トイレ以外の場所でおしっこをする
- 落ち着きがない
■そもそも尿路結石ってどんな病気?
尿路結石症とは、猫ちゃんの下部尿路(おしっこが通る道)に結晶や結石ができる病気のひとつで、尿管、膀胱、尿道に結晶や結石ができる病気です。
食事バランスの偏り、水分不足で、おしっこのpHバランスが崩れることで、おしっこ内に含まれる「ストルバイト」や「シュウ酸カルシウム」が結晶化することで起こります。
結石が小さい場合は自然に排出されることもありますが、大きさや数、種類によっては手術が必要になることもあります。特に、結石が尿管や尿道に詰まると、おしっこが出なくなり、腎臓に大きな負担がかかり、急性腎不全から尿毒症を引き起こし、2~3日で急激に悪化し、命に関わるケースも少なくありません。おしっこの回数が減ったり、血が出たり、排尿時に痛がる様子が見られたら、早めに病院を受診してください。
■猫の尿路結石の原因
年齢・性別に関係なく発症する可能性があり、水分不足や肥満、栄養バランスの乱れなど、普段の生活習慣が結石に大きく関係しています。特に注意したいポイントをご紹介します。
原因①:ストレス
引越し、近隣の工事、同居猫の増加、トイレ位置の変更など、ストレスも結石症を引き起こす要因となります。ストレスを受けた猫ちゃんは、水を飲む回数やおしっこの回数が減る傾向にありますので、おしっこの濃度が濃縮されることで結石のリスクが高まります。
原因②:冬場
冬場の寒さから水を飲む量が減ることでおしっこの濃度が濃くなるため、結晶から結石に発展するケースが増加することで引き起ります。猫ちゃんは動く水を見ると飲んでくれることがありますので、蛇口を少しひねって水を出してあげるなど、飲む量を増やす工夫が必要になります。
原因③:肥満傾向のオス猫
オス猫はメス猫に比べて、もともと尿道が細くて長いため、結晶が詰まりやすい傾向にあります。また、去勢手術をした後のオス猫のホルモンバランスの変化から肥満になってしまうと、脂肪で尿道が圧迫され、さらに狭くなりますので、肥満にならないよう注意する必要があります。
原因④:栄養バランスの偏り
過剰なタンパク質やミネラルの摂取によって、結晶ができることもあります。
結石となる成分が多いマグネシウム、カルシウム、リンなどをなるべく避け、結石に配慮されたフードを選ぶといいでしょう。自身で判断が難しい場合は当院にご相談いただければその子に合ったフードをご提案させていただきます。お気軽にご相談ください。
猫ちゃんの尿路結石は再発しやすく、一度発症すると慢性化する傾向がありますので
以下の予防ポイントをしっかりと抑えておきましょう!
- 常に新鮮な水を用意する、蛇口を少しひねり動く水を見せてあげる
- 冬場は水飲み場を増やす、ぬるま湯を与える(頻繁に取り換える)
- こまめにおしっこの色や量、回数をチェックする
- トイレは常に清潔を保ち、おしっこを我慢させない
- 獣医に相談し、結石に配慮したフードを与える
- 運動できる機会を作り、肥満に注意する
- 定期的に尿検査を受ける
■当院では病院がニガテな子のための「おしっこ外来」を実施しています。
ピア動物病院では、病院が苦手な猫ちゃんでも検査を受けられるように、猫ちゃんのための「おしっこ外来」を実施しております。愛猫ちゃんのおしっこを採尿したものを当院に持ってきていただくだけで簡単に尿検査が出来ます。病院に来るストレスを軽減しながら尿検査を実施できますので、ぜひご利用ください。
おしっこ外来の詳細はこちらをクリック→おしっこ外来の詳細