猫の尿路細菌感染症(膀胱炎)などの原因・治療・予防のポイント
■尿路細菌感染症の症状
尿路感染症の代表的な症状には以下のようなものがあります。下記の症状が見られた場合は、膀胱炎や尿路結石などの可能性もあるため、早めの受診が重要です。
- 頻繁にトイレに行く
- 排尿時に痛そうに鳴く
- 血尿がみられる
- 排尿姿勢をとるが尿が出にくい
- 食欲不振や元気がない
■そもそも尿路細菌感染症ってどんな病気?
尿路細菌感染症とは、細菌や尿道や膀胱、腎臓などの尿路に侵入し、炎症を起こす病気です。猫ちゃんは、特に膀胱炎として発症するケースが多く、オスよりも尿道の短いメスに多くみられます。適切な治療を行わないと再発や腎臓への波及を起こすことがあるため、早期の診断と治療が大切です。
■尿路細菌感染症の原因
尿路細菌感染症の主な原因は、外部からの細菌侵入です。特に糞便中の大腸菌が尿道から膀胱へ侵入し、感染を起こすケースが多くみられます。
- 免疫力の低下(高齢・持病・ストレスの影響)
- 長時間の排尿の我慢(留守番やトイレ環境の問題)
- 尿結石による尿路閉鎖
- 不十分な飲水量
■検査と診断
診断には、尿検査を行います。尿検査では白血球や最近の有無、PHの変化を確認して必要に応じてX線で結石を検査します。
■治療法
感染原因となる細菌と重症度に応じて、以下のような治療を行います。治療期間中は計画通りに投薬を続け、症状が改善しても自己判断で中止しないことが大切です。
- 抗生物質
- 消火剤や鎮痛剤による炎症・痛みの緩和
- 水分摂取を増やすための指導
- 尿路結石などの基礎疾患の治療
- 再発予防のための生活環境改善
■予防と日常ケア
再発を防ぐためには、以下のようなケアが効果的です。一度感染すると再発しやすいため、治療後も定期的な尿チェックを継続することが望まれます。
- 清潔なトイレ環境を保つ
- 十分な水分摂取を促す
- 長時間の排尿我慢を避ける
- 肥満防止と適度な運動
- 定期的な尿検査・健康診断
■当院の取り組み
川口市ピア動物病院では、猫ちゃんの尿路感染症の診断と治療において、再発防止を重視しています。再起てな抗生剤を選択するとともに、食事や生活管理のアドバイスを行っています。膀胱炎を繰り返す場合や血尿が続く場合は、ほかの疾患が関係していることもよくあります。症状が軽くても放置せず、早めのご相談をお勧めします。
