狂犬病は、狂犬病と言う言葉から犬がかかる病気だと考えがちですが、犬だけではなくネコ、アライグマ、スカンク、コウモリ、牛、人間など哺乳類全般に感染する病気です。アメリカなどはアライグマ、スカンク、吸血コウモリが狂犬病のキャリアー(病気を運ぶ者)として重要視されています。
感染後の潜伏期は平均で1~2ヶ月で、長 いものとなると7年と言う報告もあるそうです。
発症すると致死率はほぼ100%という
本当に恐い病気です。
狂犬病に発症している犬などに咬まれて、体内にウイルスが侵入すると、ウイルスは末梢神経を介して中枢神経に達し、そこで大量に増殖します。そして各神経組織に伝わり唾液腺で増殖します。咽喉頭が麻痺し、唾液を飲めなくなることにより口から大量の唾液を流すようになり、ウイルスは唾液とともに排泄されるようになります。
初期の症状としては、風邪に良く似た症状だそうです。またかまれた部位に痒みが出ることもあります。嚥下筋が痙攣し、水を飲む際に痛みを感じることにより水を怒れるようになります。
狂犬病の特有の症状である恐水症です。
その後、物事に極端に敏感になり、狂躁状態となって、目の前にあるもの全てに噛み付くようになるそうです。その後全身麻痺が起こり昏睡状態になって死亡します。
現在、世界で狂犬病の清浄国は、日本を始めとしてアイスランド、ノルウェー、スウェーデン、英国(グレートブリテンおよび北アイルランドに限る)、ハワイ、グアム、台湾、オーストラリア、ニュージーランド、フィジー諸島となっており、ほとんどが日本と同じ島国であることがわかります。
動物医療の発達しているアメリカでさえも、野生動物が狂犬病を持っており、狂犬病をなくすことは困難を極めます。
では、な ぜ日本から狂犬病をなくすことができたのでしょうか?
まず、日本が島国であるというメリットがあったことがあります。
また、狂犬病の予防注射を狂犬病予防法という法律にして、予防注射を徹底したことと、野良犬の徹底的な駆除(いわゆる野犬狩り)をしたからです。先人達の努力は並大抵のことではなかったことでしょう。
いまだに世界では、年間3~5万人の人が狂犬病で命を落としているそうです。
現在、日本では狂犬病の予防接種率が年々低下しているとの発表があります。
日本人の意識には、狂犬病という病気は過去のものであり、日本で起こることはないという意識が強くなっているような気がしてなりません。
それは私も例外ではありません。
今もう一度狂犬病について真剣に考える必要があります。何時、日本で犬の狂犬病が発生するかわかりません。
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