椎間板ヘルニア・腰痛の家庭での介護とリハビリ

椎間板ヘルニアだけではなく腰痛のワンちゃんにも必見! 川口にあるピア動物病院は、鍼灸治療、レーザー治療、オゾン療法等、体の負担や痛みを軽減するための様々な工夫を行っています。また治療後、飼い主様がお家でできることなどもお伝えしております。家庭と病院で優しくいたわってあげましょう。

椎間板ヘルニアになった犬の「抱っこの仕方」

ヘルニアになった犬を抱く際は、特に慎重な対応が求められます。椎間板が飛び出し神経を刺激している状態ですので、細心の注意を払いましょう。

正しい抱き方

ワンちゃんが普通に立った状態で、首の下とお尻を両手で包み込むように抱き上げます。体全体を支え、不必要な圧迫を避けることが大切です。

動作のコツ

突然の抱き上げは避け、ゆっくり安定した動作で行います。不安にさせないよう、落ち着いた声掛けも欠かせません。

厳禁

両脇に手を入れ「万歳」するように持ち上げるのは絶対にやめてください。背中に力がかかり、症状を悪化させます。

お家でのマッサージと温熱療法(ホットパック)

ヘルニアにいいマッサージ

ヘルニアにいいマッサージ

マッサージは筋肉をほぐし、体を温め、関節の動きを助けます。また、お腹のマッサージは腸の働きを良くし、愛犬とのコミュニケーション(メンタル安定)にも役立ちます。

マッサージのポイント

愛犬が自分では触りにくい場所をタッチしてあげましょう。背骨の脇を、毛並みに沿って優しくツボを圧すようにマッサージします。

首の付け根のケア

飼い主さんを常に見上げている愛犬のために、頭蓋骨の下あたりから首のまわりに沿ってじっくりほぐしてあげましょう。

痛みを和らげる「ホットパック」3選

蒸しタオル

電子レンジ等で温めたタオルをビニール袋に入れ、温度を確認して患部に当てます。

犬

保冷剤(湯煎)

保冷剤を40度くらいに湯煎します。保温素材なので温かさが長持ちします。

ドライヤー

患部から離して温めます。一点に集中させないよう注意してください。 ※低温やけどを防ぐため、飼い主様の目が届くところで場所を変えながら行いましょう。

【推奨】ご自宅での「棒灸(ぼうきゅう)」

当院でおすすめしている「お灸セット」です。血液循環を良くし、体を芯から温めて免疫力を高めます。特に冷えによる免疫低下が心配なシニア犬には最適です。

使い方のステップ:

  • 棒もぐさの先端に火をつけ、本体の金具に固定します。
  • 施灸ポイントを覆うようにかざし、心地よい温熱に調節します。
  • 消す時はアルミホイルで包み、空き瓶などに入れます。   

※煙が出ないタイプもございます。当院でやり方を丁寧にお伝えします。

灸棒
棒もぐさ

生活環境の整備(マット・寝かせ方)

滑らない床とマット選び

まずは、ツルツル滑るフローリングを改善することが最初です。

マットの条件

ずれないこと、適度な弾力(体圧分散型)があること。天然コルクマットなどがおすすめです。

その他の補助

滑り止めの「靴」を履かせることや、大型犬・小型犬用の「介護ハーネス」での歩行補助も、足腰の負担を減らす重要なアイテムです。

犬
犬用靴
犬用介護ハーネス
犬用介護ハーネス

身体に負担をかけない寝かせ方

手術後の「ケージレスト(絶対安静)」では、寝かせ方が重要になります。

理想の姿勢

体が水平に保てる状態。背中を少し丸めて、横に寝る姿勢」が、神経への圧迫を抑えられるため最も楽です。

寝床のコツ

背中を無理に曲げ伸ばしさせないよう、今の体勢を維持しつつ、本人が好きな体勢で休める広さと弾力のある寝床を用意しましょう。

ヘルニアに負けない「食事と栄養」

「普段と同じでいいの?」「良くなる栄養素は?」といった疑問にお答えします。体重管理と共に、以下の栄養素を意識しましょう。

ビタミンCの重要性

不足すると関節に重要な「コラーゲン」の合成がうまくいきません。

食材:ジャガイモ、パセリ、ブロッコリー、アボカド、キウイなど。

コラーゲンの豊富な食材(獣肉)

骨関節、筋肉、軟骨を支えます。

食材:手羽元、手羽先、鶏がら、豚足など。

炎症を抑え、修復を助ける食材

オメガ3脂肪酸

魚、魚油、亜麻仁油。

硫黄成分

生卵、ニンニク、アスパラガス。

酵素

生のパイナップル(ブロメリン含有)。

おすすめサプリメント

当院では関節・神経を幅広くサポートする「ニューロアクトプラス」を紹介しています。

自分で排尿できない時の「圧迫排尿」

ヘルニアが進行すると自分の意思でおしっこができなくなります。放置すると尿毒症や膀胱炎で命に関わるため、お家でのケアが必要です。

圧迫排尿の手順

  • 下にペットシーツを敷く。
  • お腹(後ろ足の前あたり)にある膀胱を優しく圧迫する。1日3~4回が目安です。
  • 終わったら清潔に拭いてあげる。 ※動画も公開していますが、わからない場合は病院で一緒に練習しましょう。

おむつの注意

かぶれの原因になるため、可能であればおむつなしが理想です。使用する場合はこまめに交換してください。

便について

基本的には食事をすればポロポロと出てきます。便も出ない場合は症状が相当重いサインです。

リハビリ散歩の進め方

「散歩に行きたい!」という攻撃が始まっても、まずは基本の「絶対安静」を守り、主治医と相談して計画を立てます。

最初の外出

地面を歩かせるのではなく、正しい抱っこでの「抱っこ散歩(外気浴)」から。これだけでもストレスは軽減されます。

歩行時のチェック(ナックリング)

足の甲を引きずって歩いていないか注意してください。爪と地面がこすれる「音」がサインです。

禁止事項

階段などの上下運動、歩きすぎ。冬場は特に腰を冷やさないよう、散歩前後に「棒灸」でケアしてあげましょう。