(高齢犬)
|
この時期のワンちゃんは人でいうと50代以上になります。ワンちゃんの世界ではシニア期に入ります。
この時期に気をつけていただきたいのは、「病気の早期発見・治療」です。この時期になると、少なからず病気が出てきます。ただし、早期に発見できると、上手に病気と付き合っていくことができますし、重症になるのを防ぐこともできます。
|
 「もう少し早く来てくれたら助かったのに・・・」と思う子もたくさんいます。
ワンちゃんとの楽しい生活を長く続けるためには、飼主様のご協力が不可欠となります。この時期なりの付き合い方を是非知ってあげてください。
|
 |
● 基本的な予防の継続
● 年間2回の健康診断
● 高齢犬のなりやすい病気について知っていただくこと
● 介護について知っていただくこと |
 |
高齢のワンちゃん用チェックリスト
|
|
上記のチェックリストが1つでも当てはまる・気になることがある場合は診察時にお尋ね下さい。健康な状態でも、年に1回は定期健診を受けましょう。
|
日頃から気をつけていただきたいこと
|
高齢になっても元気に過ごすためには、日常的な予防や対策を行いましょう。 |
■ デンタルケア
高齢のワンちゃん達には、歯石の付着がよく見られます。特に、これまで何もしてこなかった・・・という場合は要注意です。年齢によっては、処置によって歯石を取ることが難しい場合もあります。歯石による歯周病は心臓の病気の原因になることも分かっていますので、しっかりとデンタルケアを行いましょう。
|
■ 心臓の病気の予防
心臓は知らないうちに悪化していきます。定期的な心臓検査が必要です。
息をする様子がおかしいなどがあれば、要注意です。
特に高齢の小型犬は注意してくださいね!
|
■ 肥満の防止
まるまるとしているのが可愛いという飼主様もおられますが、高齢の肥満は関節や脊椎への負担を大きくします。関節炎や脊椎疾患の原因を防ぐという意味でも、食事と運動をきちんと管理して、肥満を防止することが大事です。
|
■ 腫瘍
常に異常が無いかチェックしましょう。体表に小さなしこりが無いかをチェックすることも重要です。
|
 |
 |
1.フィラリア予防
フィラリア症は、心臓の中に長さ20~30センチの素麺のような寄生虫が感染することです。蚊によって感染する病気です。特に、体の小さい室内犬は心臓の大きさも小さいですので、感染するとほとんどが死に至ります。1ヶ月に1回の飲み薬で確実に予防できます。
※ フィラリア予防の前には感染確認のための検査が必要になります。
|
2.ノミ・ダニ予防
ワンちゃんにノミ・ダニが感染すると、皮膚炎やバベシア症・ライム病などを引き起こします。また、人間にも感染し、刺します。「今ついてないから…」ではなく、ノミ・ダニが付く前に「付かないように」予防してあげましょう。
|
3.狂犬病予防接種
狂犬病の予防注射は法律で定められている飼主様の義務です。注射は地域で行う集合注射と病院で行う2つの方法があります。市区町村から届くハガキを持ってご来院ください。当院でも狂犬病の予防接種をすることができます。
他のワンちゃんと一緒の集合注射は不安という方は病院での接種もご検討下さい。
|
4.ワクチン接種
現在、混合ワクチンは最大でワンちゃんは8種の感染症が予防が可能です。感染症の中には単独感染(たくさんの病気に一度にかかるのではなく、一つの病気に感染すること)で死亡率が高いものもあります。必ず毎年1回の接種をしてあげてください。
|
予防できる病気 |
6種 ワクチン |
8種 ワクチン |
犬ジステンパー |
◎ |
◎ |
犬アデノウイルス2型感染症 |
◎ |
◎ |
犬伝染性肝炎 |
◎ |
◎ |
犬パラインフルエンザ |
◎ |
◎ |
犬パルボウイルス感染症 |
◎ |
◎ |
犬コロナウイルス感染症 |
◎ |
◎ |
犬レプトスピラ感染症 黄疸出血型 |
|
◎ |
犬レプトスピラ感染症 カニコーラ型 |
|
◎ |
|
5.健康診断
高齢になると様々な病気が出てきます。早期発見が重要な年齢ですので、年間2回の健康診断を行いましょう。
高齢犬特有の病気も多くあります。 それらの多くは健康診断を受診していただくことで早期に発見することができます。
|
春のフィラリア健康診断 |
Aコース |
各コースの内容は季節の初めにお知らせします |
Bコース |
|
Cコース |
|
Dコース |
|
|
秋に行っている健康診断 |
らくらくパック |
各コースの内容は季節の初めにお知らせします |
あんしんパック |
|
しっかりパック |
|
秋の健康診断は終了しました。
次回春の健康診断は、3月~予定しております! |
 |
脊椎の病気(変形性脊椎症など)
老齢期に多く見られ、腰痛や歩行障害などが起こります。重症化すると後肢がマヒし、寝たきりになってしまうこともあります。
|
生殖器の病気(子宮蓄膿症:女の子)
細菌感染などで子宮の中に、膿が溜まる病気です。避妊手術をしていない6歳以上のワンちゃんに多く見られます。ホルモンバランスの乱れや、高齢に伴う免疫の低下で細菌に感染するリスクが高くなるといわれています。
|
生殖器の病気(前立腺肥大:男の子)
オス犬の膀胱の後方で尿道を囲むように存在する前立腺が徐々に肥大してくるのが前立腺肥大です。進行すると、排便・排尿障害や細菌感染を伴う前立腺膿瘍を引き起こすこともあります。
|
肛門の病気(会陰ヘルニアなど)
去勢手術をしていないオスがかかりやすくなります。高齢になり、おしりの周りの筋肉が緩んできたためにできた穴(ヘルニア孔)から腸や膀胱が脱出し、排便・排尿障害を起こします。
|
腫瘍(乳腺腫瘍、リンパ腫など)
腫瘍は癌や肉腫とも呼ばれ、高齢になると発生しやすくなります。
乳腺腫瘍はメスに最も多く発生する乳腺にできる腫瘍です。特に避妊をしていないメスでの発生率が高い傾向にあります。その他にも人間と同様、様々なところに腫瘍が発生します。
|
心臓の病気(僧帽弁閉鎖不全症など)
僧帽弁とは、心臓の左心房と左心室の間に存在する弁で血液が逆流しないようにする重要な役割を果たしています。この弁が異常をきたし心不全による咳・運動不良・湿疹・肺水腫などの症状が出ます。
|
関節の病気(変形性関節症 など)
主に、中高齢期の股関節・肘・膝・肩に良く見られ、関節の軟骨組織がすりへったり、破壊されたりすることにより、様々な部位に発生して関節の動きが悪くなったり慢性的な痛みを伴います。
|
お口の病気(歯周病 など)
歯と歯ぐきの間に入り込んで増殖した細菌によって歯ぐきが炎症を起こし、歯を支える部分が破壊されていく病気です。歯に溜まった歯垢や歯石が主な原因となります。
|
上記の病気は一例です。また、病気を予防するためにも日頃のケアに注意しましょう。 |
|